USBオシロスコープを買ったのでLEDライトのチラツキを観測してみる
Analog Discovery 2の新古品が22000円で売られてたので衝動買いした。(ちなみに秋月で新品を買うと37000円くらいする)。
写真の中央が本体で、その左右のBNCプローブアダプタとかインピーダンスアナライザとかは別途に新品を買った。
いわゆる「USBオシロスコープ」、つまりパソコンに繋いで使うオシロだ。シグナルジェネレータやデジタルI/Oの機能も付いていて、それらとオシロ機能が連携することで、周波数特性などの測定も手軽にできるらしい。
自分のような電子回路のど素人でもオシロスコープは持ってるに越したことはないらしい。本当は5万円くらいの中国メーカーのオシロ(据置型)を買おうかどうか悩んでいたんだけど、一旦保留することにした。
機能
仕様を書き写してみる:
- オシロスコープ (2ch, ±25V, 14bit, 100MSa/s, 30MHz+)
- 任意波形生成器 (2ch, ±5V, 14bit, 100MSa/s, 12MHz+)
- DC/AC電圧計 ±25V
- プログラマブル電源 (2ch, 0〜+5V, 0〜-5V, ただし出力は弱い)
- スペクトラムアナライザ (0Hz〜50MHz)
- ネットワークアナライザ (1mHz〜25MHz)
- インピーダンスアナライザ (100μHz〜25MHz)
- 16ch ロジックアナライザ (100MSa/s)
- 16ch ディジタルパターンジェネレータ (100MSa/s)
- 16ch プロトコルアナライザ (SPI, I2C, UART, CAN)
- 16ch ディジタルI/O(ボタン、スイッチ、LED、etc.)
- 双方向外部トリガ 2ch
それぞれの機能の性能は専門の機材に及ばない(用途によっては使い物にならない)のだけど、学習者やホビーユーザならこれで十分な状況も多いと思う。というか学習者向けを志向して作られているようだ。ソフトウェアも良くできてそう。要するに、自分のような入門者の勉強用にはちょうどいいと思う。
詳しいことはリファレンスをみればわかる。
https://reference.digilentinc.com/reference/software/waveforms/waveforms-3/reference-manual
https://reference.digilentinc.com/reference/instrumentation/analog-discovery-2/reference-manual
(ちなみに今5万円前後で買える中国製オシロ(単体型)は、サンプリングレート1GSa/sで、周波数帯域は100〜200MHzというのが主流だとおもう)
LEDライトのチラツキを測定してみる
なにかオシロじゃないと測定できない身近なネタはないか考えていたら、手元にフォトダイオードが1つあったので、これでLEDライトのチラツキを測定できるんじゃないかと思いついた。
LED照明(天井ライト、デスクライト、etc.)の内部回路というのはピンキリで、商用電源を一切平滑化せずに100/120Hzで明滅するようなものから、ちゃんとインバータが備わっているものまで色々ある。100Hzで明滅するようなものはなんとなく視神経に悪影響がありそうだし(どうなんだろ)、その照明下で動画撮影をするとひどいフリッカーが起きたりもする。
実際に測定してみる。上の写真のようにフォトダイオードと抵抗 (22kΩ) を直列につないで、Analog Discoveryの電源機能で5Vを供給する。光の強さに応じてフォトダイオードに流れる電流が変化するので、抵抗の電位差をオシロ機能で測ればいい。
パナソニックのLEDシーリングライト
まずは部屋のLEDシーリングライト(Panasonic製)の光を測定してみる。結果はこんな感じ(実際にはリアルタイムに波形が見れる)。
人間にはチラツキなど感じられないが、実際の明るさは波打っていて、その周波数は301Hz、つまり商用電源の6倍の周波数。さすがに点灯と消灯を繰り返していることはなくて、それなりに直流成分があるが、明るさの変化(波形の上下)がそこそこあるように思う。
このシーリングライトは低〜中価格帯の製品なので、高価格帯のものはもっとよくできているのかもしれない。
そういえば周波数とかRMSとかの統計値を簡単に表示させられて便利だ。こういう機能の呼び出しは、単体のオシロよりもこういうPCオシロのほうが操作しやすそう。
LEDデスクライト (Taotronics Eye-Protection LED Desk Lamp)
Amazonで売れてるやつ。タイムセールで3000円で買った。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00VV6BM9K/
波形はこんな感じ。まったく違う。
さっきのPanasonicのシーリングライトと公平に比較するため、DC RMS = 200mVに合わせてある。
シーリングライトに比べると波形の振幅は5分の1くらい。周波数は52000Hzで、シーリングライトの170倍以上。これがまさにインバーターって感じなのだろうか。さすがにこの周波数だと人間には知覚しようがないし、そもそも振幅が小さい。
目に優しいといいながら実態はどうなのかと思っていたが、少なくとも平滑化に関してはちゃんとしていてすごいと思った。(Amazonレビューで不正するのをやめればいいのに)。
ということで、オシロスコープを初めて使った体験でした。電子回路ではなく明るさの測定に使ってしまった。