メールの「受信」ができるAPIの比較 (2020年5月)
Amazon SES vs. SendGrid vs. Mailgun vs. Mailjet vs. Mailchimp
Amazon SES (の受信機能)
https://aws.amazon.com/jp/ses/pricing/
- 受信は1000通/月まで無料。以降は0.10USD/1000通。これに加えて256Kバイトのチャンク(端数切り捨て)について0.09USD/1000チャンク。
- (送信は0.10USD/1000通。添付ファイルは0.12USD/1GB)
- 圧倒的に安い一方で、機能は最もプリミティブ
受信のレイテンシの低さは申し分ない。メールがAWSのSMTPサーバに到達した1〜3秒後にはS3に格納される。
AWSの中で使うのは楽だが、AWSの外に受信データを渡したい場合はAWS LambdaやAmazon SNSを使ってその仕組みを作る必要がある。
Twilio SendGrid (のInbound Parse Webhook)
- 受信 (Inbound Parse Webhook) は無料プランでも使える
- 有料プランは、14.95USD/mo (40000通/mo = 0.373USD/1000通) から
- (送信は無料プランだと100通/day)
- (マーケティングメール向けの機能/プランもある)
遅延問題 (今は解決)
トライアル契約でParse Webhookを使ってみたが、レイテンシが使い物にならないくらい大きくなることがあった。良いときはメールを送ってから数秒でWebhookが呼ばれるが、悪いときには30〜60分以上の遅延が(しかも少なくない頻度で)発生した。
念のために有料プラン (Essentials 40K) を契約して数日置いてから試してみたが状況は変わらなかった。
サポートに報告したら、数日後にチケットに “degraded” という印が付いたが、返事はまだこない。
2020-06-02追記: SendGridのサポートからようやく返事が来て、この問題は解決したとのこと。コロナ禍で対応が遅れたのだろうか。
Mailgun (のInbound Routing)
- 受信 (Inbound Routing) は有料プランユーザのみ使える。
- 最安のプランが高い: 35USD/moで送信50000通/mo = 0.7USD/1000通
- 受信自体は無料で、そのあとの転送 (HTTP POSTも) にチャージされる。
- (メール送受信自動化用プラットフォームとしては高機能)
- (マーケティング担当者向けの機能はない)
試用はしていない。
Mailjet (のParse API)
- 受信 (Parse API) は有料プランユーザのみ使える。
- 最安の有料プランは8.69USD/moで30000通 = 0.289USD/1000通
- (マーケティングメール向けの機能もある)
試用はしていない。
Mailchimp Transactional Email (旧Mandrill)
https://mailchimp.com/pricing/transactional-email/
- Mailchimpの有料プラン (10.62USD/mo〜) に入らないと使えない
- 送信コストが高い (20USDで20000通 = $0.8/1000通)
試用はしていない。
その他
ドキュメントを見ても受信機能の詳しい仕様が書かれていないサービスが多かった。送信がメインで、受信機能はあくまでおまけという位置づけであることが多いのだろうか。
この種のメールサービスは悪用防止のために、試用ユーザや新規契約ユーザに一定の制限をかけることがあるそうなので(しかもその内容は明示されていないので)、試用中に評価を行うのが難しいと感じた。